<武芸十八般>
武芸十八般なら、王進先生に全てを伝授されたおいら、九紋竜 史進にまかせろ。
武芸十八般と言うと十八種類の武器の使い方のことで、おいらが王進先生に習ったものを挙げると、こんな感じかな。
- 矛:槍の元となった古い武器。両刃の穂先に長い柄。林冲は蛇矛が得意。
- 鎚:紐の先に分銅が付いている流星鎚とか、湯隆が大道で使ってたハンマーみたいな鉄瓜鎚とかがある。錘とも言う。
- 弓:弓の素材は木、竹、動物の角等、弦は絹糸をよったものに蝋引したものが多い。弓なら花栄。
- 弩:引き金を引いて矢を飛ばす、所謂ボウガン。中国では古い武器。燕青が得意。
- 銃:手斧とも、火器とも言われ、不明。手斧なら、李逵の板斧みたいなもの?
- 鞭:金属性の棒状の武器。殴るための武器。鞭と言えば、呼延灼。
- 簡:鞭とほぼ同じ。
- 剣:両刃の武器。刀は片刃なので、別物。刀と付いてはいるが、三尖両刃刀も剣の仲間。
- 鏈:いくつかの棒を鎖で繋いだもの。所謂、多節棍。トウ飛が得意。
- タ:漢字で書くと手篇に過。投げ槍。李袞とかの得意技。
- 斧:長柄の斧。索超が使ってるような奴。
- 鉞:儀仗用の斧を指すことが多いけど、斧の大きなものかも。まさかり。
- 戈:戦車用の古い武器。引っかける武器。宋代、戟のことを戈と呼んだとも。
- 戟:矛+戈の構造を持つ古い武器。構造的に方天戟はこの子孫。呂方、郭盛が得意。
- 牌:所謂、腕に装備する盾。項充達が得意。
- 棒:棍棒。欧鵬が使ったのは鉄棒。長兵器の基本。棒なら盧俊義かな。
- 鎗:長柄の先に突き刺すための穂先が付いた武器。刃はない。概ね、穂の下に纓と呼ばれる房が付く。
- 叉:くまでとも刺す又とも。刺す又なら、解兄弟が得意。くまでなら、杷じゃないのかなぁ。
『五雑俎』『涌幢小品』と言う本では、一部が違っていて、
- 杷頭:なんだか判らないけど、これこそ”くまで”かな?
- 索、縄:所謂、投げ縄。扈三娘が使う時がある。
- 刀:片刃の武器。関勝は青龍偃月刀を使う。朴刀は皆が使う。
- 白打:素手の格闘術。所謂、功夫。と言えば、武松だな。
- 稿:全然判らない...
- 殳:棍棒。
なんて言うのも入ってるな。
中国武術は流派がいっぱいあるけど、三大流派の得意な武器は
- 少林派:少林寺と言えば、棍
- 武当派:これも有名。剣ですな。
- 峨嵋派:槍
それぞれの代名詞みたいになってるようだ。
ちなみに倭国の武芸十八般は、弓術、馬術、槍術、剣術、抜刀術、短刀術、 薙刃術、手裏剣術、水練術、十手術、棒術、捕手術、もじり術、鎖鎌術、含針術、忍術、砲術、柔術なんだそうだ。”もじり”とは聞き慣れないが、よく時代劇で捕り方が使う”袖がらみ”のことなんだと。