<霊獣>
それがしの名は玉麒麟 盧俊義。麒麟を渾名に冠するのはそれがしだけだ。
以前、李俊が”竜”について語ったが、我が中華には霊獣、聖獣と呼ばれる高貴な獣がいろいろ住んでおる。それがしは竜以外の霊獣についてお話いたそう。
まず、それがしの渾名の麒麟だが、倭国ではビールでおなじみ、字を見ても判る通り、鹿のイメージが発展した霊獣だ。
だが、これは”麒麟”と言う生き物ではないのだ。実は”麒”が雄で、”麟”が雌のことなのだ。だから、併せて”麒麟”。雄雌逆だと言う説もあるな。
”麒麟”の姿は顔は狼、尾が牛、体は鹿で足は馬と言うが、蹄が割れているから馬と言うより牛鹿のようだ。歩く時に絶対生き物を踏み殺さないと言う聖獣で、王の徳が高いと現れると言われているのだ。
もう一つ、これも有名なのが、”鳳凰”だな。”鳳凰”も”鳳”が雄で、”凰”が雌と分かれている。”鳳凰”の元は鶉だと言う説もあるが、鶉では有難味も半減しようと言うものだ。
”鳳凰”には別名がたくさんあって、”不死鳥”、”霊鳥”、”霊禽”、”火離”、”叶律郎”、”丹山隠者”、まだまだある。
”鳳凰”は竹の実を食べ、甘露を飲むと言うから、それだけでもやっぱり只者ではないな。
四神の一つ”朱雀”や青い鳳凰である”鸞”も、”鳳凰”の仲間と言えるだろうな。
他にも、四神の白虎、玄武も霊獣に入るであろうが、四神は別格だし、李俊も説明したので省くとしよう。