<梁山泊の守り神>
梁山泊の守り神と言えば、曾頭市戦で戦没して祀られている托塔天王晁蓋兄ぃのことですが、そも托塔天王とは我が道教では、「西遊記」「封神演義」でも那タと共に活躍する神であられます。
が、この托塔天王、道教だけにあらず仏教では毘沙門天と呼ばれるいくさ神で、倭国では七福神の一人ともされております。毘沙門天は仏教では別名を多聞天とも言われ、四天王の一人として北方を守護し奉る神でもあられます。
また、ヒンドゥ教では、梵名をクベーラ、別名ヴァイシュラバナ(毘沙門はこの音訳)と言う名の神で夜叉羅刹の王であり、財宝神として尊崇されております。
なんと、天竺は愚か、中華、倭国にまでも信仰される軍神が守護されている梁山泊、官軍ごときに敗れるはずはありませんな。
宋江兄ぃの守護神と言うことになると九天玄女娘々です。
九天玄女は女仙を統括する西王母に仕える神で、古代の聖帝である五帝の筆頭黄帝に兵法武器等を与えて、蚩尤を滅ぼさせた軍神でありますから、宋江兄ぃに授けられた天書もその類だったのでしょうな。
いずれの神も軍神であることを考えれば、我等梁山泊の好漢はただの山賊ではなくて、軍事集団となることを定められていたと言えましょうか。