段景住 | 「軍師。物見の報告によれば、官軍は三路に分かれて進軍し、それぞれ兵六千三百を以って山に迫っているとのことで...」 |
呉用 | 「何と言う大軍!それは一大事!」 |
段景住 | 「で、一清道人の指示で伏兵として林師範が兵六百で左軍の退路を断ち、二千七百余りを討ち取って凱旋、敵左軍は中央軍に向けて潰走...」 |
呉用 | 「次の手を考えねば...」 |
段景住 | 「朱武参謀はすぐさま索超に一千の新手を率い、左軍の敗走に気を取られた敵右軍に横槍を入れるよう指示...」 |
呉用 | 「ほう、そつが無いの、朱武殿も。」 |
段景住 | 「敵右翼は兵一千八百を失いながらも、中央軍に合流。敵は態勢を立て直しつつあり...」 |
呉用 | 「さて、わしの出番と言うわけじゃな。」 |
段景住 | 「いえ。公孫先生が花将軍、秦将軍にそれぞれ四千の兵を与え、常山の蛇の如く両翼からの交互打撃を行わしめ、中央の歩兵軍統領達の肉迫によって四千三百程の屍を晒して敵は後退...」 |
呉用 | 「次の策は...」 |
段景住 | 「あ、いや、敵は後退しつつも陣形を整え、騎兵を以って逆襲に転じ、我が歩兵軍もたまらず後退...」 |
呉用 | 「す、すぐさま、援軍を派せ!」 |
段景住 | 「しばし、お待ちを。伸びきった敵の中央を左翼の花将軍が突破、前後を分断し各個撃破のあげく三千二百の首を挙げ...」 |
呉用 | 「...」 |
段景住 | 「我が軍が追撃に移ろうとしたその時、後れて到着した後軍二千余...」 |
呉用 | 「いよいよ、わしが必要じゃな。司令を...」 |
段景住 | 「あー、軍師。残兵を守って、退却いたしました。」 |
呉用 | 「...」 |