白勝 | 「なぁ、おねだりしていいかなぁ、師匠。」 |
金大堅 | 「なんだ、改まって気色の悪い...」 |
白勝 | 「そう言うなって。これでも尊敬してるんだから。」 |
金大堅 | 「益々、気味が悪いなぁ。で、何。俺にできることなら聞いてやるよ。」 |
白勝 | 「ありがてぇ。」 |
金大堅 | 「と、喜ぶのはまだ早い。で、何が欲しい?」 |
白勝 | 「はんこ。」 |
金大堅 | 「へ?何と言った?」 |
白勝 | 「だから、はんこですよ。俺の。」 |
金大堅 | 「いや、印鑑くらい専門だから何でもないけど、どうしてまた?」 |
白勝 | 「俺達って、はんこなんか持ったことある奴少ないでしょ。」 |
金大堅 | 「まぁ、官にいた者か元金持ちくらいだろうが...」 |
白勝 | 「でしょ。だから、師匠のはんこ、欲しいんだ。」 |
金大堅 | 「でも、何に使う?」 |
白勝 | 「使わない。持ってて皆に自慢するだけ。」 |
金大堅 | 「あはは、素直だな。」 |
白勝 | 「作ってくれる?」 |
金大堅 | 「おぉ、承知した。お前らしいのにしてやるよ。」 |
白勝 | 「恩に着るぜ、師匠。」 |
金大堅 | 「何を大層に。作っとくから明日おいで。」 |