李雲 | 「体質だからしようがないけど、酒が呑めないと言うのは好漢として辛いなぁ。」 |
楊春 | 「なんで?」 |
李雲 | 「イメージって言うのがあるだろ、好漢の。」 |
楊春 | 「まぁ、そうだけど、気にしてるのか?」 |
李雲 | 「俺は気にしてないけど、世間がそう思ってるからすぐ酒呑まされるじゃん。」 |
楊春 | 「なるほど...でも、お前って紅毛人だろ?」 |
李雲 | 「自分で言うのもなんだが、どうもそうらしい。」 |
楊春 | 「なんだ、そりゃ...普通、お前らの体質って、わしらより酒強いんじゃなかったか?」 |
李雲 | 「数ある中には、劣性遺伝ってものもあるんじゃないかと...」 |
楊春 | 「難しいこと言うじゃねぇか、おい。」 |
李雲 | 「これも一種のイメージと言うことでさ、紅毛人の。」 |
楊春 | 「大変だねぇ、なかなか。」 |
李雲 | 「でさ、武松みたいに呑めなくてもいいから、もうちっと呑めればと思ってさ。」 |
楊春 | 「毎日、ちょっとづつ呑む練習、練習...してみれば?」 |
李雲 | 「練習って、それで呑めるようになるのか?」 |
楊春 | 「知らねぇけど、他になんかあるかよ。」 |
李雲 | 「知らないから、聞いてんじゃん。」 |
楊春 | 「聞いといて、怒るなってば。」 |
李雲 | 「すまねぇ。」 |
楊春 | 「いいけどよ。じゃ、道全先生に相談するか?」 |
李雲 | 「酒が呑めるようになる薬なんて、あるのか?」 |
楊春 | 「俺が知るか。でも、天下の安先生だぜ。絶対なんか知ってるって。」 |
李雲 | 「そうだよね。今まで直せなかったこと、一つもないもんな、安先生は。」 |
楊春 | 「だろ。間違ぇねよ、安先生なら。」 |