朱武 | 「この度の戰、中々一筋縄ではいかぬようだな。」 |
陶宗旺 | 「そんなに手強いのかね、今度の敵は?」 |
朱武 | 「ふむ。まぁ、負ける気遣いはないが、ちと苦戦するかもしれんな。」 |
陶宗旺 | 「なんだ、神機軍師らしくもねぇ。」 |
朱武 | 「戰と言うのは、そう簡単にはいかんのさ。」 |
陶宗旺 | 「そんなもんかね?」 |
朱武 | 「ああ。『正を以って合い、奇を以って勝つ』と言ってな、正攻法だけでは駄目なのさ。」 |
陶宗旺 | 「でも、なんか奇策があるんだろ、軍師には?」 |
朱武 | 「あるにはあるが、難しくてな。」 |
陶宗旺 | 「俺だって梁山泊の好漢だ、御用とあれば一肌脱ぐぜ。」 |
朱武 | 「おぉ、そう言ってくれるか。」 |
陶宗旺 | 「当たり前よ。それに、いつも修繕ばっかじゃ嫌んなっちまうぜ。手柄だって立ててぇしさ。」 |
朱武 | 「なら、うってつけの役目があるが...もし、成功すれば一番手柄だぞ。」 |
陶宗旺 | 「おう、やるやる。なんだってやる。」 |
朱武 | 「お主の鍬の腕も役立つ、一石二鳥の作戦だ。」 |
陶宗旺 | 「そうかい。おいらの鍬も役立つかい。で、どうするんだ?」 |
朱武 | 「今度の敵は、騎馬が主力で機動力がある上に、我らよりも騎馬の数がかなり優る。」 |
陶宗旺 | 「ほうほう。」 |
朱武 | 「だから、移動戦を仕掛けられて我が歩兵が振り回されると、ちと不利でな。」 |
陶宗旺 | 「ん〜、そうなのかい?」 |
朱武 | 「そうだ。だから、その前に敵の騎馬隊に大打撃を与えたいんだが、ここに凌振が新たに開発した地雷があってな。」 |
陶宗旺 | 「それを埋めりゃいいんだな。」 |
朱武 | 「だが、敵は目前。のんびりやっては敵に覚られる。」 |
陶宗旺 | 「任せとけ。そんなもんはお茶の子だぜ。」 |
朱武 | 「山寨の命運が懸かってるぞ。大丈夫か?」 |
陶宗旺 | 「おう、合点だぜ。一番手柄はおいらのもんだ。」 |