楊林 | 「いやー、今日の演習はきつかったよなぁ。」 |
黄信 | 「ほんと。久しぶりにぐったりだぜ。すぐ酔いそうだ。」 |
楊林 | 「結構、騎兵って楽してるように思われてるけど、そんなことないよなぁ。」 |
黄信 | 「当たり前だろ。いつだって戦になれば、最初に突っ込んで行くの俺達だからな。」 |
楊林 | 「となれば、軍事演習が多少厳しくなるのもやむを得ないか。」 |
黄信 | 「そうさ。命掛ってるんだから。」 |
楊林 | 「まぁ、そう言う意味では歩兵、水軍もいっしょだろうけど。」 |
黄信 | 「そうだなぁ。でも、禁軍の将校出身が多い分、他より厳しいかもな。」 |
楊林 | 「お、それは言えるかもな。俺なんか、武芸は我流だから、まぁ勉強にはなるけどな。」 |
黄信 | 「そりゃ、禁軍って言えば、プロ中のプロみたいなものだから。」 |
楊林 | 「林教頭とか徐教頭もいるしな。」 |
黄信 | 「それに短気なのが二人もいるし...」 |
楊林 | 「秦将軍と索将軍か...」 |
黄信 | 「正解。秦明師匠とは付き合い長いけど、恐いよなぁ。未だに慣れないよ、俺。」 |
楊林 | 「そう言えば、今日も気合い入ってたなぁ、秦明。」 |
黄信 | 「そうだな。なんか鬼気迫るものがあったなぁ。」 |
楊林 | 「鬼教官とか、鬼将軍なんて言葉はあの人の為にあるようなもんだな。」 |
黄信 | 「でも、あの厳しさがあの人の愛情表現だったりするのさ。」 |
楊林 | 「ふーん、そうなんだ。」 |
黄信 | 「常に厳しく、言葉で表さないのがあの人の主義なんだよ。」 |
楊林 | 「へぇ、なんか見直しちゃうなぁ。」 |
黄信 | 「だから、俺も師匠と立ててるんだ。」 |