李立 | 「今日はわざわざ集まってもらってすまねぇな。」 |
朱貴 | 「んにゃあ、どうってことねぇぜ。」 |
孫新 | 「まぁ、この面子だから、気使うこともねぇしよ。」 |
張青 | 「営業連絡会議かなんかか?」 |
李立 | 「いや、今日集まってもらったのは他でもない。ちょっと相談があってな。」 |
朱貴 | 「資金繰りなら、蒋敬に言いなよ。こっちも一杯々々だし...」 |
李立 | 「金の話じゃねぇよ。酔っぱらいのことだよ。」 |
孫新 | 「酔っぱらい?」 |
張青 | 「どの酔っぱらい?沢山いるだろ、山にゃあ?」 |
李立 | 「おめぇの古馴染み...」 |
張青 | 「ってぇと、魯智深と武行者...」 |
孫新 | 「なんか、あったのかい?」 |
李立 | 「うん。昨日二人してあんまり酔ってたから、定六が止めたんだが...」 |
朱貴 | 「あー、そりゃ無茶なことを...」 |
張青 | 「で?」 |
李立 | 「奴らご機嫌だったし、定六も強気に出たわけじゃねぇから喧嘩になったわけじゃねぇんだが...」 |
孫新 | 「うんうん...」 |
李立 | 「『堅ぇこと言うなよ』ってんで、ちょいと小突かれただけだけど、何しろ虎をも拉ぐあの力...」 |
朱貴 | 「定六、骨でも折ったかい?」 |
李立 | 「うん。倒れた拍子に腕折って、『まぁ、おめぇも呑め』って言われて激痛我慢して呑んでたんだが...」 |
張青 | 「うわー、悲惨だなぁ...」 |
李立 | 「『なんでぇ、呑めるんじゃねぇか』って、笑いながら二人して肩叩いてたら...」 |
孫新 | 「ま、まさか...」 |
李立 | 「定六、両肩も骨折で、安先生の見立てで4ヶ月の重傷...で、今臨時休業中」 |
朱貴 | 「あ、明日は我が身か...」 |
張青 | 「おいら、付き合い長いから、慣れっこになっちまって近寄らねぇけど...」 |
孫新 | 「うちとこも、店ぶっ壊されそうになったことあるな...」 |
李立 | 「で、怪我人となると穏やかじゃねぇから、何か対策をと思って皆呼んだんだよ。」 |
張青 | 「茶だけにしてもらうか、店の品書き?」 |
孫新 | 「そりゃ通らねぇだろ、今年度の予算決まっちまった後だし。」 |
朱貴 | 「山の連中だけに呑ませてるわけじゃねぇしなぁ...」 |
李立 | 「だから、罰則作ってもらって、あまり呑んでたら山に入れないようにしてもらうとかさ...」 |
孫新 | 「ああ、三つの関門で検問してもらうってわけだな。」 |
李立 | 「そう。したら、俺達がこんな目に遭うこともねぇかと...」 |
朱貴 | 「どう思う、張青?」 |
張青 | 「まぁ、何もねぇよりゃあ、ましだろうぜ。」 |