楊林 | 「なぁ、こんな話知ってるか?」 |
燕順 | 「どんな?」 |
楊林 | 「昔むかし、桃花山に周通と言うわんぱく坊主が住んでいました...」 |
燕順 | 「あいつ、ガキの頃からあそこにいたのか?」 |
楊林 | 「ある時、周通は近所の子供が泣いているところに通りかかりました...」 |
燕順 | 「うんうん。」 |
楊林 | 「周通が聞くと、子供は『時々やってくる、杜興の顔が恐くて皆難儀をしています』と言いました...」 |
燕順 | 「子供の頃から、恐かったのか。あいつの顔は...」 |
楊林 | 「周通は『それなら、俺が退治してやろう』と、勇ましく杜興のところへ向かいました...」 |
燕順 | 「それから?」 |
楊林 | 「途中まで行くと、悪ガキ仲間の段景住がどこへ行くのか聞いたので、腰の焼餅を一つ与えてお供として、いっしょに杜興退治に向かいました...」 |
燕順 | 「知り合いだったのか。知らなかった。」 |
楊林 | 「しばらく行くと、また悪ガキの侯健と欧鵬がいたので、同じように焼餅を与えて杜興の元に行きました...」 |
燕順 | 「なんだ。顔広いんじゃねぇか、周通。」 |
楊林 | 「杜興の家に着いた三人は、一斉に攻め込んで、杜興を縛りあげました...」 |
燕順 | 「なんだよ、三人掛かりかよ...」 |
楊林 | 「周通が『皆が怖がるから、二度と出歩くんじゃないぞ。』と言うと、杜興は『もう、行きませんから許してください』と言いました...」 |
燕順 | 「そんな過去があったとは...」 |
楊林 | 「周通は『それなら、お前のおもちゃを全部差し出すなら、許してやろう。』と言って、杜興のおもちゃを車に積んで、意気揚々と引き上げていきました...」 |
燕順 | 「昔からせこいなぁ...」 |
楊林 | 「桃花山に帰った周通は、お礼に近所の子供からもおもちゃを巻き上げ、益々近隣で恐れられたと言うことです。コレデドンドハレ。」 |
燕順 | 「...(泣)」 |