楊林 | 「なぁ、こんな話知ってるか?」 |
解宝 | 「知らない。」 |
楊林 | 「まだ話してねぇだろ。昔むかし、登雲山に正直者の鄒潤が住んでいました...」 |
解宝 | 「嘘つけー。」 |
楊林 | 「馬鹿、人は変わるんだよ。ある日、鄒潤は山の中で雨に降られて、木の洞で雨宿りするうちに寝てしまいました...」 |
解宝 | 「聞いたことねぇなぁ。」 |
楊林 | 「ふと目を覚ますともう夜で、どこからか賑やかな声が聞こえてきます...」 |
解宝 | 「あそこは、あいつらのシマだからな。」 |
楊林 | 「鄒潤が見てみると、杜興が大勢焚き火を囲んで宴会をしていました...」 |
解宝 | 「そんなことしたのか。良い度胸だぜ。」 |
楊林 | 「鄒潤は『俺達のシマ内を荒らすとは...』と思いましたが、杜興達の歌声でだんだん陽気になっていきました...」 |
解宝 | 「陽気だったの?あいつ...」 |
楊林 | 「杜興の中でも一番大きな杜興が『次ぎに踊るのは誰だ〜』と言うと、鄒潤はつい踊り出してしまいました...」 |
解宝 | 「杜興の中でも一番大きな杜興?」 |
楊林 | 「杜興の輪の中で鄒潤は楽しげに踊ると、杜興たちも大喜びです...」 |
解宝 | 「なんかおかしくねぇか?」 |
楊林 | 「踊りが終わると一番大きな杜興は『面白かったぞ。これは褒美だ。』と言って、錠銀をくれました...」 |
解宝 | 「その、一番大きな杜興ってのは?」 |
楊林 | 「一番大きな杜興は、『明日も必ず来いよ。しかし、来ないといけないから、その大事な頭のこぶを預かろう』...」 |
解宝 | 「ちょっと待てって...」 |
楊林 | 「一番大きな杜興が鄒潤の頭のこぶに手を伸ばした時、鄒潤は頭突きで杜興たちを退治して、彼らの持っていた錠銀を全て奪って山寨に帰りました。コレデドンドハレ。」 |
解宝 | 「何じゃ、そりゃ〜」 |