柴進 | 「スタッフ部門でも、試合はやるべきでしょうかね?」 |
安道全 | 「それはそうでしょ。」 |
宋清 | 「うん。やろうやろう。」 |
柴進 | 「して、どうのように?」 |
宋清 | 「皆に馬鹿にされないように、武術で勝負でしょう。」 |
柴進 | 「でも、安先生と宋清君は武術は...」 |
宋清 | 「そんなことないよ。ね、先生?」 |
安道全 | 「ん、まぁ、二人で太極拳くらいはやってるが...」 |
柴進 | 「それは知りませんでした。が、大丈夫なので?」 |
宋清 | 「なら、取り敢えず僕と先生で、今ちょっとだけやってみせようか?」 |
柴進 | 「今?」 |
宋清 | 「うん。さわりだけね。いいよね、先生?」 |
安道全 | 「...そこまで言うなら...」 |
柴進 | 「では、見せていただきましょう。始め。」 |
宋清 | 「...」 |
安道全 | 「...」 |
柴進 | 「ちょ、ちょっとストップ。それは所謂楊家太極拳と言う奴ですよね。公園とかでおばちゃん達がよくやっていると言う...」 |
宋清 | 「そうだよ。」 |
柴進 | 「私はそれを見て、何を判断すれば良いんです?」 |
宋清 | 「だから、勝ち負けをだよ。」 |
柴進 | 「では、もう少し、否、大分速く動いていただいた方が...」 |
安道全 | 「それは無理じゃ。」 |
柴進 | 「何故です?」 |
宋清 | 「何故って、これしかできないんだから。」 |
柴進 | 「...」 |