呉用 | 「いやいや、大変な流行となりましたな、悲華水滸伝は。」 |
朱武 | 「しかし、何故あのような改竄がなされているのか、謎です。」 |
李応 | 「果たして、秦明達が言うように高毬の謀略なのか?」 |
呉用 | 「その点に関しては、既に時遷を調査に行かせています。」 |
李応 | 「さすがは、軍師。はや手を打たれましたか。」 |
呉用 | 「先程、朱貴から連絡があって時遷も戻ったようです。」 |
朱武 | 「では、私が呼んで参ります。」 |
| ・・・ |
呉用 | 「おぉ、時遷。ご苦労だったな。」 |
時遷 | 「この程度の調査は朝飯前で。」 |
朱武 | 「で、どうであった?」 |
時遷 | 「当らずと言えども遠からず、って奴で...」 |
李応 | 「では、やはり謀略かっ。」 |
時遷 | 「いや、謀略ってわけではないようですが、この件に関しての黒幕は童貫でした。」 |
呉用 | 「何?童貫?」 |
時遷 | 「へぇ。どうやら、童貫が偽名を使って書いたようで。書肆で確認しやした。」 |
李応 | 「そう言えば、妙に童貫がいい奴になっていたな。それに気付かないとは...」 |
朱武 | 「何となく女性的と言うのも肯けますな...」 |
呉用 | 「して、その目的は?」 |
時遷 | 「はぁ、それがその...」 |
李応 | 「やはり何かあるのか?」 |
時遷 | 「無い、とも言えないようでして...」 |
朱武 | 「聞き捨てならんな。言ってみろ。」 |
時遷 | 「へぇ。実は童貫、我らに惚れたようでして...その惚れ方が所謂恋愛感情って奴らしく...それであやつめの理想的なイメージに改竄したとかで...つまり、招安後に好みの好漢を呼びつけて、その...」 |
呉用 | 「わ、判った。皆まで言うな...」 |
李応 | 「童貫恐るべし...」 |
朱武 | 「...」 |