李立 | 「おい、定六。やっぱり、このままだとヤバイぞ。」 |
王定六 | 「何がよ。」 |
李立 | 「ここよ、ここ。北山酒店が。」 |
王定六 | 「えっ?なんで?」 |
李立 | 「聞かなくたって判るだろ?帳簿見てるんだし...」 |
王定六 | 「生憎俺、数字はからっきし駄目でさ...」 |
李立 | 「数字駄目だって、客の入り見てりゃ、想像つくだろが。」 |
王定六 | 「そういや、相変わらず暇だよなぁ。」 |
李立 | 「って、喜んでる場合かよ。もうすぐ上期の決算だけど、計画達成できねぇぞ。」 |
王定六 | 「いいじゃん。梁山泊はリストラないし...」 |
李立 | 「そう言うマイナス思考じゃ駄目じゃんか。おめぇには誇りってもんはないのか?」 |
王定六 | 「でも、今から足掻いたって間に合わねぇだろ?」 |
李立 | 「馬鹿。下期に向けての対策があるとなしでは、上層部の心証が違うだろーが。」 |
王定六 | 「おめぇ、やけに難しい言葉知ってるな。」 |
李立 | 「そんなことはどーでもいいって。なんかねぇか?」 |
王定六 | 「昔もこんな話したけど、結局そのまんまだったなぁ。」 |
李立 | 「あれはおめぇ、大改装込みの話で予算も付きそうだったから大掛かりなもんだったけど、今度はもうちょっと金の掛らねぇ奴だ。何たって、計画未達なんだから...」 |
王定六 | 「なるほど...」 |
李立 | 「内装いじると金掛るしなぁ...」 |
王定六 | 「じゃあ、器とか変えるか?」 |
李立 | 「器?」 |
王定六 | 「例えば...おー、孟康に頼んで舟作ってもらうとかさ。」 |
李立 | 「舟?」 |
王定六 | 「そう。さしみの舟盛り用の舟。」 |
李立 | 「おー、なんか同じもんでも豪華に見えるもんな。いい考えじゃん。」 |
王定六 | 「あれなら、あいつらんとこで出る、木っ端切れで作れるから金掛らねぇだろ?」 |
李立 | 「おめぇ、見直したぜ。確かにな。孟康にちっとばかり呑ませるくらいでやってくれそうだしな。」 |
王定六 | 「あとは...楽和と馬麟でも雇って、週一くらいでライブをやるとか...」 |
李立 | 「定六君!すばらしい!excellent!」 |
王定六 | 「にゃはは、それほどでも...」 |