楊林 | 「ここだけの話だが、こんな話知ってるか?」 |
孟康 | 「お、待ってました!」 |
楊林 | 「待っていてくれたのか...嬉しい限り...」 |
孟康 | 「一度聞きたかったんだ、お前の話。」 |
楊林 | 「では、軽い奴を一席。昔々、あるところにたいへんものぐさな男が住んでいました...」 |
孟康 | 「ものぐさ太郎だな?」 |
楊林 | 「否。その男は「ものぐさ四郎」と呼ばれ、何もしない男でした...」 |
孟康 | 「四郎ね。ちと違うか...」 |
楊林 | 「ものぐさ四郎は本当に何もしません。仲間のように諜報活動をするわけでもなく、戦争に行くこともありませんでした...」 |
孟康 | 「なんて奴だ。」 |
楊林 | 「ものぐさ四郎は全くも何もせず、宴会でしか見掛けることはありませんでした...」 |
孟康 | 「宴会...」 |
楊林 | 「ものぐさ四郎は何もしない挙げ句の果てに、兄の七光りで七十六位の統領に治まりました...」 |
孟康 | 「七十六位って言えば...」 |
楊林 | 「ものぐさ四郎は皆が死んだ後まで生き残り、何もしなかった余光によって、水滸後伝では光禄寺正卿となって、シャム国では『ものぐさの大臣』と呼ばれたそうです。コレデドンドハレ。」 |
孟康 | 「や、奴を今のうちに...」 |