楊林 | 「ここだけの話だが、こんな話知ってるか?」 |
周通 | 「おっ、遂に巡り会ったか、噂の『隠れ語り部』に!」 |
楊林 | 「なんだ、そりゃ?」 |
周通 | 「噂になってるの知らないのか?正体は不明と言うことだったが...」 |
楊林 | 「正体は不明か...まだ、行けるな...で、聞くか?」 |
周通 | 「勿論だぜ。」 |
楊林 | 「昔々、あるところに子供のいない夫婦が住んでいました...」 |
周通 | 「ふむ。」 |
楊林 | 「夫婦は、九天玄女娘々廟へお参りして、子供が授かるようにお願いしました...」 |
周通 | 「あぁ、霊験あらたかだからな。」 |
楊林 | 「念願叶って、夫婦には小さな小さな男の赤ん坊が産まれました...」 |
周通 | 「おっ、効いたんだ。よかったよかった。」 |
楊林 | 「赤ん坊はすくすく育って、やがて小さな男になりました...」 |
周通 | 「あはは、何それ。」 |
楊林 | 「そして、悪さの限りを尽くした小さな男は、紆余曲折を経て山で義賊になりました...」 |
周通 | 「いいねぇ。」 |
楊林 | 「山の仲間と小さな男は鬼のような祝家荘を退治して、宝の中から打ち出の小槌と扈家荘のお姫様を手に入れました。尤も、小さな男は大した働きはしませんでした...」 |
周通 | 「ん?祝家荘?」 |
楊林 | 「小さな男と結ばれたお姫様が打ち出の小槌を振ると、あら不思議!小さな男の背はちっとも変わりません...」 |
周通 | 「意味ねぇじゃんか。」 |
楊林 | 「やがて、お姫様の『一丈青』と言う渾名との対比で、小さな男は『一寸法師 王英』と呼ばれるようなりましたとさ。コレデドンドハレ。」 |
周通 | 「それで最近、花和尚のお古の衣着てるのか〜」 |