呉用 | 「ちと物を尋ねるが...」 |
燕青 | 「なんです、お珍しいですね。」 |
呉用 | 「誕生日、と言う奴は何かお祝いをあげるものなのかな?」 |
燕青 | 「おっ、生辰綱ですか。」 |
呉用 | 「何、”綱”と言うほどのもんではないんだが...」 |
燕青 | 「で、誰に?」 |
呉用 | 「いや、なんでも私のファンらしく...」 |
燕青 | 「へ?先生の?」 |
呉用 | 「あくまで、”らしい”なんだが...」 |
燕青 | 「女ですか?」 |
呉用 | 「ふむ。どうもそうらしい...」 |
燕青 | 「そりゃあ、あげた方がいいでしょうよ。」 |
呉用 | 「そんなものなのか。」 |
燕青 | 「何をあげようと思ってるんです?」 |
呉用 | 「ん〜、私の銅錬なんかどうかと...」 |
燕青 | 「駄目!そんなもんあげてどうするんです!」 |
呉用 | 「私の秘蔵の品なのだが...では、天書のコピーは?あれは貴重だぞ。」 |
燕青 | 「あれ、役に立たないし、公明哥々と先生以外が見ちゃいけないんでしょ。」 |
呉用 | 「そうか...では、何が良いと?」 |
燕青 | 「相手が欲しがってるものか、心が籠もった物かなぁ。」 |
呉用 | 「心、が籠もったもの...か。」 |
燕青 | 「わかりました?」 |
呉用 | 「わかった、と思う...多分間違っていない、と思う...」 |
燕青 | 「そりゃあ、良かった。少しはお役に立ちましたか?」 |
呉用 | 「おお、すまない。ありがとう。」 |