杜興 | 「ねぇ、軍師。」 |
呉用 | 「なにかな?」 |
杜興 | 「軍師が北京に行った時、占い師に化けたじゃないすか。」 |
呉用 | 「あぁ、盧俊義殿引っ張り込んだ時ね。」 |
杜興 | 「そうそう。あん時は計略だったけど、本当はどうなんです?」 |
呉用 | 「ん?易占ができるか、と聞いている?」 |
杜興 | 「はい。できるんすか?」 |
呉用 | 「ほっほっほっ。何を隠そう、上は天文、下は地理、分からんことなど何もないのが、このわし智多星だからな。」 |
杜興 | 「言い切りましたね(汗)」 |
呉用 | 「何か気になることでもあるのかな?」 |
杜興 | 「いや、実はこの頃、どうも夢見が悪くて...」 |
呉用 | 「ふむ。夢は五臓の疲れと言うからな。」 |
杜興 | 「で、死ぬ夢ばっかりなんですよ。」 |
呉用 | 「悪い夢は逆に良いと言うけどな。」 |
杜興 | 「でも、気になるでしょ?まぁ、誰でも一度は死ぬから、それはいいんだけど、どんな死に方するのかなぁ、なんて...」 |
呉用 | 「まぁ、自分の人生の終着点だからな、死ぬってことは。よし、分かった。見てやろう。」 |
杜興 | 「すんません。」 |
呉用 | 「...あぁ、杜興。お前は肛門関係で死ぬな。」 |
杜興 | 「げっ、なんすか、それ?どうしてそうだと?」 |
呉用 | 「インスピレーションだ。」 |
杜興 | 「え?筮竹いじったり、算木並べたりしないの?」 |
呉用 | 「あれは初心者がやるんだよ。通はインスピレーション。」 |
杜興 | 「嫌な死に方だなぁ...他の兄弟も分かります?」 |
呉用 | 「ちょっと待て...一清道人は胸に瘤ができて死ぬな。史進は体中に瘤ができて苦しんで死ぬ。魯智深は奇病に罹って顔面が収縮して死ぬし、黄信は泌尿器系で苦しんで死ぬな。燕青は寿命だ。」 |
杜興 | 「なんか、無茶苦茶じゃないすか...」 |
呉用 | 「インスピレーションだ。」 |
杜興 | 「...あっ、ちょっと、それって...」 |
呉用 | 「さぁ、わしは帰るぞ。」 |
杜興 | 「あっ、軍師...」 |