呉用 | 「やや、お三方ともお待たせいたしたな。」 |
裴宣 | 「いえいえ、拙者らも今着いたところで」 |
蒋敬 | 「お〜い、定六。肉を二斤ばかしと菜を五、六皿。それに酒はあの上等なやつを頼む。」 |
侯健 | 「お、さすが機密会議は違うね!」 |
裴宣 | 「ところで、軍師。お話ってなんですか?」 |
呉用 | 「いや、実はの。時遷が仕入れてきた情報なんじゃが、東京開封府に今度、巨大な娯楽施設ができるようなんじゃ。」 |
蒋敬 | 「そいつは小生も小耳に挟みました。」 |
裴宣 | 「しかし、それではこちらも負けておれませんな。」 |
呉用 | 「その通り。そこでわしも幾分案を練ってみたので、人事と予算の相談じゃ。」 |
蒋敬 | 「なるほど。で、その案とは?」 |
呉用 | 「まず、阮氏三兄弟で“石碣村クルーズ”。」 |
裴宣 | 「そいつは適役。」 |
呉用 | 「李俊と張兄弟には“潯陽江の海賊”。」 |
蒋敬 | 「水軍ばかりですね。」 |
呉用 | 「いやいやなんの。呼延将軍と百勝・天目には、お得意の“連環騎馬”じゃ。」 |
侯健 | 「ああ、あのぐるぐる回るやつですか?楽しそうだな。」 |
呉用 | 「国際色豊かに、青眼虎・紫髯伯・金毛犬には異民族の文化を紹介してもらう。名付けて、“世界は狭い、世界は一つ”。」 |
裴宣 | 「そいつはいいですな。でも、段景住って茶髪なだけですよ。」 |
呉用 | 「よいのじゃ。見かけが大切。」 |
蒋敬 | 「しかし、軍師。採算を取るためには、いま一つ、なんかこう、マスコットキャラクターのようなものが必要ではないですか?」 |
呉用 | 「うむ。そいつも思案済みじゃ。黒・く・て、、、小・さ・な、、、人・気・者、、、と言えば?」 |
裴宣・蒋敬・侯健 | 「!」 |
呉用 | 「問題はあの耳じゃ。通臂猿、なんとかできるか?」 |
侯健 | 「お任せ下さいませ、軍師殿。精一杯、おかしらを飾り立てましょう。」 |
呉用 | 「善し。それでは頼んだぞ。」 |
侯健 | 「ははっ。」 |
呉用 | 「あ、そうそう。白勝君の分もお揃いでな。ただし、女形で。」 |
裴宣・蒋敬 | 「まさか、ミニー…」。 |